【 ゆっくり小学校】『あるべき自分』ではなく『あるがまま』の自分を受け入れ、他人との比較ではなく『今、ここ』を愉しむ。

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ゆっくり小学校:辻 信一 校長のスロー学

2016年12月17日(土) の授業は、辻 信一 校長がテレビ番組「情熱大陸」で特集された時の動画鑑賞からスタート!

「情熱大陸」に出演されたこと自体を初めて知ったので、感動しました!!

引き続き行われた 辻 校長による「スロー学」の授業でも、いろんな気づきが大沸騰!!

◆「『あるべき自分』ではなく『あるがまま』の自分を受け入れる。」

◆「他人との比較ではなく、それ自体の『今、ここ』を愉しむ。」

◆「今、ここにいるにいる自分に『何がないか』ではなく、『何があるか』こそが大事。」

サラリーマンというレールを下りた今だからこそ、響く言葉たち⭐

以下に、一部を抜粋してシェアします_φ(_ 

▼ 「自己満足を取り戻す」(テキストより抜粋)

ぼくたち日本人の大好きな言葉に「前向き」がある。

英語を訳していてよく困るのが「ポジティブ」という言葉なのだが、日本にはこれを「前向き」と訳す習慣ができている。

「前向き」という言葉のすぐとなりには、これも日本人の大好きな「がんばる」がある。

ぼくたちは頻繁に「がんばれ」とかけ声をかけては、前に向けて進み続けるべく自分を、また互いを励ましているのだ。

もちろん「前のめり」の姿勢は日本ばかりではない。

哲学者の鷲田誠一さんによれば、それは「知的もしくは物的生産性の累進的増大をめざす近代社会を貫いている」態度だ(『老いの空白』)。

例えば現代社会のキーワードとなっている欧米由来の言葉は、「前に」や「先に」を意味する「プロ」という接頭辞をもつものがたくさんある。

プロジェクト、プロフィット(利潤)、プログレス(進歩)、プロモーション(昇進)、プロポーザル・プロポジション(提案・計画)、プロビバリティ(確率)。

特にビジネスの世界で活躍してきたこれらの言葉たちは、しかし徐々にぼくたちの日常の私的なはずの時間にまで入り込んできている。

同様に、つい最近までプロフィットとも、プロジェクトとも、プログラムとも関係のなかった「南」の国の田舎にも、開発の波とともに前のめり言葉が上陸し、幅を利かせ始めている。

ぼくが頻繁に出かけていたエクアドル北部の沿岸地帯で、かつて豊かなマングローブ生態系の中で自給自足に近い暮らしを営んでいた人々は、開発による環境破壊でかえって貧しく依存的になり、今ではぼくのような外国人を見ると、挨拶代わりに、「あなたのプロジェクトは何だい?」と訊ねる始末だ。

前のめりのの時間の中で、人々はある一定の目的に向かう存在になり、その「活動はことごとく目的ー手段の連鎖のなかに閉じ込められる」ことになる(『老いの空白』)。

そこでは、人々が目的へと到達するために不必要なものを「無駄」として切り捨て、生産性や効率性をあげることを競い合う。

だから前のめりの時間は、加速する時間。

そんな時間が支配する社会は、子どもから大人まで、人々がいつも将来のための準備に忙しい「準備社会」だ。

そこでは、ひとりひとりの「今、ここ」が、いい学校に入るために、いい企業に就職するために、豊かな老後のために、事業の達成のために、よりより社会の実現のために、犠牲にされても仕方がない。

「今、ここ」の満足はこうして先送りされる。

よりよい自分を目指すために、今の自分は否定される。

よりよい明日との比較において過去や現在は、他所との比較において「ここ」は、他人との比較において自分は、常に劣等感と不満足にまみれている。

「何があるか」より「何がないか」が問題なのだ。

それに対して自己満足とは、「今、ここ」の自分を引き受け、肯定すること。

「あるべき自分」ではなく、「あるがままの自分」を受け入れ、他との比較ではなく、それ自体の「今、ここ」を愉しむ態度。

今、ここにいる自分に「何がないか」ではなく、「何があるか」こそが大事なのだ。

(以下、省略。)

(ご参考)

⚫︎ ゆっくり小学校とは?(公式サイト)

http://yukkuri-web.com/smallschool



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